中島塾の中島です。こんにちは。
中学生が3人いると思ってください。
昨日2学期中間テストが終わり、運動部が練習している体育館を中心に、学校全体に活気が戻ってきた。そんな体育館とは対照的に、3人だけの図書室にはお通夜のような重い雰囲気がどこまでもどこまでも漂っていた。
1番左の椅子に腰かけていた麻衣は、青ざめた表情で机にドサーッと突っ伏した。
『ダメ・・・。穴埋め問題、全然できんかった・・・。』
麻衣が手にしているテスト用紙には、
【私は音楽がとても好きです。】
【I like ( )very much.】
とある。
真ん中の椅子に座っていた沙織は、その問題については一切触れずに、自分のノートにサラサラと別の問題を書いた。
『じゃあさ、麻衣。この問題はできる?』
【dog=( )】
『はん、バカにしないでよ。(犬)でしょ。』
『そうそう、正解。じゃあこれは?』
【お母さん=( )】
『それも分かる。(mother)でしょ。』
『すごいじゃない。じゃあテストの穴埋めもできるんだって。少なくとも麻衣の得意な問題の形式には変化させられるよ。』
『問題の形式?変化させられる?どういうこと?』
『麻衣はさぁ、単語テストならできるんでしょ。中島塾で毎回1枚やるじゃん。あれの要領よ。』
『ああ、中島塾で毎回1枚やるやつね。分かる分かる。』
『麻衣が今絶望的な気持ちで眺めてるソレ、中島塾で毎回1枚やってる単語テストにしちゃえばいいのよ。』
『どうやって?』
『穴埋め問題の、対応する言葉を1つずつペンでなぞってみよう。
「私は」と「I」には黄色の蛍光ペンでキュッ・・・。
「とても」と「very much」には水色の蛍光ペンでキュッ・・・。
「好きです」と「like」にはピンク色の蛍光ペンでキュッ・・・。
そうするとさぁ、( )の中に入る単語の意味が見えてこない?』
【私は音楽がとても好きです。】
【I like ( )very much.】
『あ!本当だ!もしかして(音楽)って単語が入るの?』
『そうそう、うまいじゃない。(音楽)は英語で・・・?』
『musikよね!』
『違う違う、musicよ。まあいいわ、あとは家で単語練習をすればいいのよ。』
『分かった。家でやってくるね。』
麻衣の顔がパアッと明るくなった。やるべきことがハッキリすると、気持ちがスッキリする。麻衣は、まるでもう英語が得意教科になったような気分だった。
ところが、ニコニコ笑顔の反対側で、もう1人机に突っ伏している生徒がいた。由香だ。麻衣と沙織のやり取りを全て聞いた上で、由香はさらに絶望の淵に立っていた。
『私はそのやり方を知ってるのよ・・・。中島塾で習ったもの・・・。でも、それでもこの問題はダメだったの・・・。』
沙織が今度は由香の答案をのぞき込んでみると・・・。
【中島先生は英語を教えます。】
【Mr.Nakashima ( teach )English.】
「教える=teach」を完全に対応させた答案には、赤ペンで×印が大きくつけられている。
『教える=teachでしょ。それでもバツ。私、これ以上どうしようもできない・・・。』
落ち込む由香とは対照的に、沙織は目を真ん丸に見開いて由香の背中をバンバンたたいた。
『由香、すごいすごいすごい!!教える=teach書けてるね!』
『わざとらしく励ましてくれなくてもいいのよ、沙織。結局teachじゃバツだったんだからさ。』
『もう一息なんだってば。主語がMr.Nakashimaだから、三単現のsが必要だったのよ。』
『teachsってこと?』
『ううん、ティーチ「ーズ」になるからteachesなんだけどね。それは家で練習すればいいことだから。とにかく三単現のsが必要かどうか、単語が分かった後に必ず主語をチェックしてみて。』
『うん、やってみるね!ありがとう!』
『いいのよ、こっちこそ頭の中整理できたわ。』
沙織は学習手帳を開くと、「情けは人の為ならず」の欄にチェックを入れて、自分の勉強を始めた。次は2学期期末テストだ。中島先生と約束した5教科合計450点に向けて、今日から新しいスタートを切ろう。
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