中島塾の中島です。こんにちは。
あんまり気持ちのいい話ではないのだが、「カブトムシのメスみたいな風貌なのに季節関係なく家に出没してめちゃくちゃ怖がられるアイツ」の話を1つ。
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先日のこと。
その日私が帰宅したのは草木も眠る丑三つ時だった。
スーツを脱いだ私が茶の間で嫁と団欒をしていると、「カブトムシのメスみたいな風貌なのに季節関係なく家に出没してめちゃくちゃ怖がられるアイツ」が茶の間の壁をカサカサ動いていて、真夜中にもかかわらず2人そろって絶叫した。25年ぶりの優勝を決めた瞬間の広島ファンよりも絶叫した。私と嫁は、あの日の新井と黒田なのかもしれなかった。
嫁がスプレーを持ってきたので、私はそれを受け取り、「カブトムシのメスみたいな風貌なのに季節関係なく家に出没してめちゃくちゃ怖がられるアイツ」に向かって噴射した。普段は松居一代のごとく節約する私だが、このときばかりはスプレー1本使い切るつもりでいった。
ところが、「カブトムシのメスみたいな風貌なのに季節関係なく家に出没してめちゃくちゃ怖がられるアイツ」は、なかなかその動きを止めない。初めて家に来た彼女なんじゃないかって様子で部屋をウロウロしている。完全に『へぇ～、ここが中島くんの部屋なんだぁ～。』っていう動きだ。そしてたまにこっちを向く。おい、やめろ。こっち見んなよ。
「カブトムシのメスみたいな風貌なのに季節関係なく家に出没してめちゃくちゃ怖がられるアイツ」と私が対峙していたのは、おそらく10分ほどだろうが、私には永遠にも感じられた。私は「カブトムシのメスみたいな風貌なのに季節関係なく家に出没してめちゃくちゃ怖がられるアイツ」に容赦なくスプレーを噴射し続け、最終的に「カブトムシのメスみたいな風貌なのに季節関係なく家に出没してめちゃくちゃ怖がられるアイツ」は天に召された。
対峙して、退治した。
長かった戦いが、ついに終わった。
私は肩で息をしながら、スプレーのパッケージを見ると、そこにはこう書いてあった。
ゴキブリのいない空間を作るスプレー
ゴ　キ　ブ　リ　の　い　な　い　空　間　を　作　る　ス　プ　レ　ー　だ　と　？
私は激怒した。
メロスより激怒した。
嫁ヌンティウスよ、そのスプレーは、今じゃないんだ。
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