現代の寓話【本太郎】

たくさんのお話を読んで(もらって)育った中島塾の中島です。

自分でもお話を作ってみました。

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むかーし昔あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでおりました。

ある日、おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。

おばあさんが川で洗濯をしていると、川の上流から大きな本がドンブラコドンブラコと流れてきました。

驚いたおばあさんは、ヨイセヨイセと家まで本を運んで中を開いてみると、中から大きな男の子が出てきました。

本から出てきたので「本太郎」と名づけました。

本太郎は本をたくさん読んで、すくすくと育ちました。

ある日、本を読まずにゲームばかりしている鬼たちが鬼ヶ島で大声を上げて暴れているという情報が入りました。

本太郎は、鬼ヶ島にいる近隣住民への騒音被害を考え、鬼退治に行くことにしました。

本太郎の長旅を心配したおばあさんは、本太郎に本を3冊持たせました。

本太郎はおばあさんから受け取った3冊の本を携えて、家を出ました。

道中、本が読みたくてついてきた猿・キジ・犬の3匹を連れて、本太郎はついに鬼ヶ島に到着しました。

鬼ヶ島に入ると、「ウヒョー!」「グヘヘへへ」と鬼たちが奇声を上げています。鬼たちは本を読まないので、言葉をあまり知らないのです。

「本太郎さん、正に『鬼の霍乱(かくらん)』ですね。」

犬が言ってきましたが、本太郎は落ち着いて返事をします。

「犬くん、鬼の霍乱というのは『いつもは健康な人が珍しく病気にかかる』ことを言うので、この場合には当たらないよ。」

「そ、そうですか。」

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