中島先生の弟

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春期講習3日目が終わりました。今から4日目の授業が始まります。春期講習は元々短いものですが、今回は授業以外で苦労することも多く、いつもよりさらに短く感じますねえ。
さてそんなワケで、一昨日に引き続き今日も過去記事の焼き直しといきます。
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[キティーの受難]
私には歳の離れた弟がいます。私が、どちらかというと子どもらしい子どもであったのに対して、弟は少しマセていたというかヒネていたというか。例えば、4~5歳の頃の弟に対して
「あら、その洋服かわいいねー。」
などと、大人が褒めると
「『かわいい』じゃないやろ!『かっこいい』やろ!」
などと言って腹を立てる子でした。
そんな弟が保育園の遠足に行くことになりまして、その前の晩のことです。
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遠足の前の日というのは、遠足当日よりも楽しいという説もあるくらい心舞い上がる日です。リュックに敷き物を入れたりお菓子を入れたりという『楽しい労働』が目白押しなのです。弟も、母に手伝ってもらいながら作業を進めていまし・・・、と思ったら。
弟「こんなリュックいやや!」
母「だってコレしかないんよー。」
と、現場はいきなり険悪なムード。慌てて私が間に入ります。
私「どうしたんや?」
すると母が私に向かって言いました。
母「このキティーちゃん・・・。」
言われてリュックをよく見てみると、紺色のリュックの真ん中の小物入れのところに、可愛い可愛いキティーちゃんの絵が描かれていました。
しかし、前述の通りどちらかというと硬派な弟は、キティーちゃんのリュックが嫌だったのです。どうしても嫌だったのです。
弟「違うリュック出して!」
確かに家には複数のリュックが存在します。キティーちゃんが描かれているのはこの1つだけで、確か他のは無地だったはず。それさえあれば弟も納得して遠足に行けるでしょう。
そう思った私は、納屋をゴソゴソ探してみました。すると、出てきたリュックはどれも弟が2~3人は軽く入りそうなシロモノばかり。実は父の趣味が登山でして、それ専用のリュックが出てきたというわけです。
こんな本格志向の登山家リュックで保育園の遠足に参加しようものなら、気の弱い子が泣き出しても文句は言えません。保育士さんもドン引きすること間違いなしです。
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3人で文殊の知恵を出し合った結果、『キティー部分を青のマジックで塗りつぶして普通の紺色リュックを装う大作戦』が決行されることになりました。真っ白なキティーの顔面の上を、母の持つ青いマジック(油性)が何度も往復します。そして数分後、3人の目の前に何とも薄気味の悪いリュックが1つ誕生しました。
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[遠足当日、弟と友達との会話]
友達「ねーねー中島くん。このキティーちゃん、何で青い顔しとるん?」
弟「・・・このキティーちゃん、病気ねん・・・。」