車掌の本分

小学生時代のことをよく覚えている中島塾の中島です。

自分で言うのもナンですが。

調べたらネット上では「中学生の時に教科書で読んだ」という声が多数でしたけど、私は小学4年生の時だったような気がするんですよね…。でもテーマは中学生に聞かせたいような。

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【車掌の本分】あらすじ

舞台はとある遊園地。

訓練されたサルが自らの手で運転する「モンキー・トレイン」は園にやってくる子どもたちの大人気の乗り物。

その「モンキー・トレイン」に乗り込むのは若いサルの運転手と年老いたサルの車掌。

列車の先頭で車両を動かす「運転手」と、列車の後ろから安全な運行を見守る「車掌」は厳しい訓練を受けたおかげで、ものの見事に列車を運転していた。

物珍しいモンキー・トレインは瞬く間に人気が人気を呼び、それまでは閑散だった平日でさえたくさんの子どもが押し寄せる事態に。

「おもしろかったね、おもしろかったね。」

「おサルさんなのに、なんでもできるのね。」

園はこの増え続ける需要に答えるべく、5両だったモンキー・トレインの車両を10両に。それでも増え続ける客をこなすことはできず、10両は20両に、そして最終的に30両編成の列車になり、サルたちの乗務時間も長くなる一方。

しかし、ここで問題が。

円周にぐるっと敷かれた路線ゆえ、長くなりすぎた列車はアルファベットの「C」のように、あたかも車両の先頭と後ろが繋がっているかのよう。

本来、列車の最後尾にいて、後ろから安全な列車の運行状態をチェックしている車掌の背中を運転手が見ているというおかしな状況になってしまった。

「しかし、一つだけ我慢のできんことがある。車掌としての誇りにかけて、どうしても辛抱のできなことがある。」

「運転手がわしの後ろにいる。これはどう考えても、わしに対する侮辱としか思えん。」

人間によって手懐けられたはずのサル。

ご褒美と罰によって条件反射で動いているはずのサル。

だが、頑固者の車掌の爺さんサルはそうはいかない。それじゃあ納得がいかないのだ。

「こうして列車の最後尾から車内をまっすぐに見つめている。

何か事故はないか、客に病人でも出やしないか。

そういう注意を払ってまっすぐ前を見て胸を張っている。

それが車掌の本分というものだ。」

最後尾から安全を見守るはずの車掌からすれば、あたかも運転手よりも前に車掌がいるような今の状況はまさしく異常事態。

「本分」を全うできない悩み・・。

乗務を終えた2人のサルはいつもどおりご褒美のバナナが与えられたが、車掌の爺さんサルはついに食べることを拒否する。

「わしは仕事をしなかった。車掌としての本分を尽くさなかった。

だから、この報酬を受け取るわけにはいかんのだ。」

車掌の爺さんサルは思い悩み、そうしてとうとう乗務を促す合図がいくら鳴ろうとも、車掌のサルはピクリとも動かなくなる。

激務を強いたお陰でノイローゼになってしまったと騒ぐ園の人たちを尻目に、爺さん車掌サルは「問題の本質はそういうことではない」とつぶやいた。

そして、車掌のサルはアフリカの大地に、どこまでもまっすぐに伸びるレールの上を走る列車を頭のなかに描く。

そして広大なアフリカを走る列車に乗るシーンを思い浮かべながらこう考えるのです。

「わしは死ぬまで本分を尽くすだろう・・・・。」

【/車掌の本分】あらすじここまで

我が身に置き換えて、改めて学習塾講師の本分について考えるきっかけになった。

同業者のみなさんも、保護者のみなさんも、今一度考えてみてください。

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