人間の進路指導は大局観

将棋が好きな中島塾の中島です。

放送自体はかなり以前だったそうですが、録画したテレビ番組を先日見ました。タイトルは「九段羽生善治〜AI世代との激闘の軌跡〜」です。

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2020年2月11日の時点で、私の頭にあったのは塾生たちの進路指導のことだ。頭の中を占めていた、頭の中を占拠していたと言っても過言ではない。

AI世代に悪戦苦闘している羽生九段が、データを基に塾生やその保護者の方にアドバイスしている自分自身と重なる。

①データの上では合格の可能性が高いので、志望校に願書を出した方がいいと思われるケース

②データの上では合格の可能性が低いので、志望校を変更して願書を出した方がいいと思われるケース

③データの上では合格の可能性が低いものの、志望校に願書を出した方がいいと思われるケース

④データの上では合格の可能性が高いものの、志望校を変更して願書を出した方がいいと思われるケース

人間がAIを上回ることがあるとすれば、③や④のケースだろう。①や②はAIの得意分野だ。

私が③のように厳しい条件でも志望校を変更しない方がいいと思うのは、

◆本人の強い希望がある

◆保護者に応援する気持ちと備えがある

◆合格した場合、成績下位からでも粘り強く取り組み活躍できる

などの条件がある時だ。

反対に④のように志望校変更を勧めるのは、

◆本人が自分の進路について真剣に考えていない

◆保護者の理解が得られない

◆国語力が乏しく、高校の授業で大きな挫折を味わう恐れがある

などの時だ。

これらの考え方は、将棋でいうところの「大局観」だ。たとえ負ける可能性が高くてもこの手でなければ、とか、こっちで勝つのはつまらない、という考え方が根底にあるのだと思う。

谷川九段『将棋は1人で指せるものではない。2人で作品を創り上げるもの。』

今まで塾生たちと長い年月をかけて同じ教室で学んできた経験から、いい進路を創り上げていきたい。

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