甲子園決勝・佐賀北vs広陵

昨日、家に帰った私は、すぐにDVDのリモコンを握った。
第89回全国高校野球選手権大会決勝の広陵(広島)vs佐賀北(佐賀)を見るためだ。
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時刻は深夜2時。結果はもう知っていた。満塁ホームランで5対4、佐賀北優勝。でも、どうしても見たかった。だから、家に帰ってすぐDVDをつけた。
序盤は怒涛の早送り。そしてDVDをつけて5分で迎えた8回裏、広陵4-0佐賀北。佐賀北の攻撃1死満塁の場面で、私は1つの疑問を持った。
(あれ?ストライクボールの判定おかしいぞ。)
1死満塁打者カウント1ストライク3ボールからの5球目。広陵・野村投手が投げ込んだ真ん中低めのストレートは明らかにストライクだった。しかし判定はボール。そして押し出し。
ボールの判定に、野村投手は(あれがストライクにならないの?)という表情をし、小林捕手はミットで地面を叩いて悔しがった。悔しがったというか、あれは怒っていたのかもしれない。
そして、次の打者に満塁ホームランを打たれ、逆転を許す。
佐賀北を応援していた人は、嬉しくてたまらなかっただろう。3点差からの逆転満塁ホームランというのは、野球の醍醐味のうちの1つだ。かくいう私も、実は佐賀北を応援していたのでとても嬉しかった。先に試合結果を知ったときも嬉しかったし、帰宅後DVDで満塁ホームランを見たときも嬉しかった。
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優勝は佐賀北高校。全国4081校の頂点に立ったのは佐賀北高校。野球特待生問題とか全然関係ない、県立佐賀北高校。延長再試合とか、帝京にサヨナラ勝ちとか、イロイロ超すごい佐賀北高校。
でも、私はあのDVDを見て思った。
(あの試合、最初に優勝のチャンスが来たのは広陵高校だったのに。)
(あの押し出し四球のあとに、じっくり時間を使って気持ちを落ち着かせ、平常心で投げれば打たれなかったのに。)
(あそこで審判に怒って、何かいいことあったんかな。)
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審判の技術的問題はさておいても、球場の雰囲気が佐賀北よりになるのはしかたのないことだと思う。先にも書いたとおり、勝ち上がり方が劇的だし、県立高校だし、何よりエースの顔がお笑い芸人「はなわ」に似ているのだ。更にもう1つダメ押しするとすれば、あの時点で広陵は4-0で勝っていたのだ。
やはり、佐賀北よりの雰囲気はしょうがないことなのだ。
そこまで理解し、ボールの判定にもじっと我慢をし、その先に深紅の優勝旗が待っていたのだ。
まだ17.8歳の若者にそれを求めるのは酷なのだろうが、私は野村投手に会ったらこう言いたい。
『優勝したいなら、あの場面は我慢せんなん。表情に出すのもダメやし、監督の方を見るのもダメ。できればキャッチャーにも言わん方がいいな。黙って深呼吸や。次に屈伸。審判メタメタに批判したかったら、あの場面1点で押さえて優勝してからや。宿舎に帰ってor広島に帰って言えばいいやろう。あの場面であんなキョトン顔しとったら優勝はできんわ。勝利の女神は面食いなんやぞ。』
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最後に1つ。
試合前、私は佐賀北を応援していた。
応援していた高校が優勝して嬉しかった。
しかしDVDを見て、事実上の優勝校は広陵だということを知った。
だから、もう嬉しいという気持ちは消えた。
あの試合、審判が高校球児たちのレベルに達していなかったんだなあ。
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[一言]
「野村投手に会ったらこう言いたい」・・・・・・・・・
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甲子園決勝・佐賀北vs広陵 への2件のコメント

  1. キク

    お久しぶり!
    確かに押し出しの四球はストライクだったのかもしれない。だけど審判も人間。ボールと言ったのだからボールなのだ。
    俺も思ったよ。キャッチャー気持ちはわかるがあそこで地面にミットをたたきつけてはいけない。
    まわりに不快な思いをさせているとともに、自分の平常心もさらに失う!
    そのあと抑えれば4-1で勝っていたのだよ。
    さらにやっぱりいくら平常心を失ったバッテリーとはいえ、その後逆転満塁ホームラン!!!佐賀北・さらに副島くんがミラクルだったんだよね。
    やっぱり甲子園を楽しんだ、楽しみ野球佐賀北最高でした。
    ちなみに甲子園で佐賀北対帝京を観戦してきましたー

  2. 中島先生

    コメントありがとうございます。お久しぶりです。
    あのときのバッテリーのうろたえぶりは、あまり高校野球で見たことがない光景だったので、ちょっと書いてみました。
    大人になると、ストライク投げたのに「ボール」って言われることが山ほどありますよねえ。
    佐賀北高校は、普通科中心の県立高校だというところにひかれて応援していました。vs帝京を観戦されたとのこと、うらやましくてたまりません。

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