北國新聞3月11日(木)掲載

午前2時過ぎまで公立高校入試研究会をしていて翌日の3月11日(木)は眠い中島塾の中島です。

下の記事は研究会の前に急いで仕上げたものです。

進学校を目指す上位層には大きな影響がないものの、石川県全体で考えると私は「難化傾向」「平均点下落傾向」と見ます。ただし、「理科社会なんて所詮暗記科目」「理科社会は3ヶ月あれば仕上がる」と考えていた人たちをギャフンと言わせることができたことだけは良かったのではないかと。あと、前年が低平均点に収まったため、多少のリバウンドは期待しています。

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上に書いたことと重複するが、「上位層はできただろう」と「下位層は面食らったのでは」が同居するテストだった。そもそも大阪では高校のランク別にA・B・Cの3種類問題用紙が用意されていて、私は以前から石川県もこれに追随すれば良いと考えている。

今年の国語の問題を例に挙げると、

◆足が棒になる

◆杞憂

という2つの言葉は、中島塾では「10歳までに覚えたい言葉」という本を使って指導しているが、知らない子は本当に知らない。決して大袈裟な表現ではなく、できない子たち・知らない子たちにとっては英語と同じだったと思う。また、熟語として

◆外部

◆青空

が同じだという設問についても、私は「道路」や「善悪」を使った方が正答率が上がったのではないかと感じた。

新聞には「高い平均点が予想される」とあった理科にしても、

◆食物網

◆中性子

◆20%(質量パーセント濃度の計算問題)

あたりは一筋縄でいかない問題で、正答率90%とはいかなかったと思われる。

英語は大問3・大問4ともに500語未満の長文読解だったことからやや易化を予想したが、塾生たちの反応から本来なら得点源とすべきリスニングで大きな失点が見込まれ、結果前年同様の低平均点に留まるだろう。

社会は冒頭の北國新聞に寄稿したことがほぼ全てで、1つ問題を挙げて例を示すと

◆版籍奉還の「版」と「籍」はそれぞれ何を表すか。

という問題が象徴的だった。一般的には

◆明治維新の一環として、全国の藩が、所有していた土地と人民を朝廷に返還した政治改革のことを何というか。

とすべきところを、あえて用語そのものを問わずに用語の持つ意味を問うているのだ。他にもこのようにただの表面的な暗記だけでは太刀打ちできない問題が散見された。

ここまで書いて数学を無視するわけにはいかないので数学についても少し触れると、全問正解したい大問1で球の表面積(しかも半分)を問われたのは痛恨だった。また(5)のヒストグラムについても、「中央値」「最頻値」「平均値」などの用語に悪戦苦闘した受験生は一定数いたはずだ。

それ以降の問題については、そもそも難しいことがデフォルトなのであまり重くは受け止めていないものの、大問4の連立方程式や大問7(1)の55度あたりはガッチリ正解してほしいと願う。

あと、指導歴24年の学習塾講師の目から見えているものを1つ紹介すると、いわゆる「できる子たち」っていうのは入試が終わった日に塾に来て高校生へのブリッジワークに黙々と取り組んでいる。この辺も「才能ではない」というべきなのか、はたまた「そういうことができることも含めて才能」と見るべきなのか。

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